レモンの育て方 1
初心者の私が栽培方法を検証しながら・・・
~ ま え が き ~
レモンの育て方のブログを書き始め、その記事数僅か「56」で、「どこに」、「何を」、記載したのか? 分からなくなってしまいました・・・
「まとめ」がないと、ひとつひとつの記事が、ひとつひとつの記事で終わってしまう。
そんな思いから、それぞれの記事を、「レモンの育て方 一冊の本」の様に出来ればと、まとめてみます。それぞれの記事が完成するには、相当な時間がかかると思いますが、日々、検証しながら更新していければ・・・
もくじ
1、レモンを育てる魅力
① 家庭で育てる魅力
この記事を読まれている方は、何かの果樹・野菜等を作っている、或いは、これからレモンを作ろうとしている方だと思いますので、既に、自分自身で栽培する目的(魅力)をお持ちの方が大半なのでしょう。
よくお聞きする「家庭で育てる魅力」というと、「一番美味しい最適の時期に収穫する事が出来る事」のようです。市販の果実や野菜は、消費者の口に入る迄に時間を要する関係上、そのほとんどが完熟する前に収穫し、追熟させたものです。柑橘類は、成熟とともに糖度が上昇して酸が減少します。樹になったまま完熟したものは、味も香りも全く別物であり、旬の時期に本物の美味しさを味わえる事になります。
又、「無農薬(減農薬)の果樹・野菜を食べられる事」もよく挙げられます。輸入レモンの場合、外国からの輸送の間に腐ったりしないよう防腐剤(防カビ材やワックス等)を使用します。皮を取り除いて果肉・果汁を食すぶんには問題はないとの事ですが、発がん性・催奇形性のリスクを考えると「無農薬」に拘りたくもなるようです。特にレモンは、果肉・果汁と同じぐらいに、その果皮にビタミンCが含まれている等、栄養を考えた時に「無農薬でなければならない」場合もあるようです。
紅茶に入れる輪切りレモン。やはり、皮つきの方が「レモン入り」に見えますよね。
当然の事ながら、「食べる」魅力だけではなく、「鑑賞する」魅力もあります。レモンの花は愛らしく、眺めているだけでも心落ち着きます。
又、レモンの果皮には精油と呼ばれる香気成分をためる袋(油胞)にシトラールやリモネンが含まれ、あの独特なさわやかな香りがします。これはレモンの葉っぱにも含まれており、葉を切ったり、剪定等をすると香りが広がります。
当家では、何故「レモンを育てる!」だったのでしょうか?
一言で返答するのでしたら、「ビタミンCと味」美味しくビタミンCを摂るため。「レモンを使った料理をする」というより、「レモンを生で絞ったレモンミックスジュースを飲む!」ため。
レモンは1本の木で実が生ります(雄雌不要)。又、他の柔らかい果実ですと害虫や菌にやられ、育てるのが難しいですが、レモンの皮は分厚く、多少の傷みを気にしなければ十分食べられる果実が簡単に出来る・・・「レモンの育て方は難しくない」、はずなのですが・・・ ^^;
詳しく記載した記事がこちらになります。
参考
② しまなみ海道に行ってみた!
平成29年7月、妻と2人でしまなみ海道に行ってきました。広島県側から、向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島と渡って、愛媛県今治に出ました。
瀬戸田町
「瀬戸田町がある生口島は、尾道から18km、三原から12km、愛媛県今治からは25km。しまなみ海道のほぼ中央にある人口約8,700人の島です。生口島は、島の約50%が急傾斜になっているため日当りが良く、瀬戸内海でも指折りの柑橘類の産地で、レモンの生産量は日本一です。」
「瀬戸田町では国産レモンの約4分の1(28%)が生産されていますが、国内で消費されるレモンで国産レモンはわずか5%以下。ほとんどが安価なアメリカ産レモンというのが現状です。価格競争ではかなわない瀬戸田町の農家が目指したレモンは香りの豊かさと、安心して食べられる低農薬レモン、瀬戸田エコレモンでした。瀬戸田エコレモンは通常のレモン栽培より化学合成農薬と化学肥料の使用量を50%以下に押さえて、防腐剤やワックスを使ってない皮ごと食べれるレモンです。」
レモンを育て始めた私には、いろいろな質問がいっぱいありました。国内生産量日本一の地に赴き、「レモンの育て方のいろは」を学んでこれたらと思っていました。
(苗を一番買いたかった。^^;)
生口島(いくちじま)瀬戸田町。瀬戸田サンセットビーチで少しの間海を眺めた後、レモン谷に向かいました。そこは本当に、レモン、レモン。 レモンの木がいっぱい。
レモンいっぱいの世界を感じたい方は、是非とも一度、お立ち寄りください。
詳しく記述した記事がこちらになります。
③ レモンの成長 毎月の記録
平成27年5月 レモンの苗を買ってきました。
背丈 80㎝程度、花も3つ付いていました。
「どれぐらいの期間で」「どれぐらい育っていくものなのか?」知識もなく、経験もない私は、いろいろなブログやユーチューブ等を見て回りました。
これぐらいの成長で間違いないのか?
間違いがあるのであれば、早めに修正していきたい!
しかしながら、ある一時点の状態を紹介しているものは沢山あるのですが、時系列で紹介しているものはなかなか探すことが出来ませんでした。なので、成長の記録を毎月取ることにしてみました。毎月の記録は始めたところですが、内容を充実させつつ、ここに、まとめていってみようと思います。
毎月の記録はこちらからご覧頂けます。
参考
2、レモンの歴史
① 最初の柑橘の木
アジアとオーストラリアが一つの大陸であった約2000万年前、「マンダリン」「ザボン」「シトロン」という柑橘の3つの野生種が生まれたようです。今ある柑橘類は、この3つの種の交配によって出来たもの。レモンは、そのほとんどを「シトロン」から受け継いでいます。
シトロンは、今でもあって、イタリア南部、コルシカ島、ギリシアで糖果用に栽培されています。果肉は淡黄色で酸味が強く、そのまま美味しく食べられるものではないようです。果実は砂糖煮に、果汁は飲料とし、クエン酸の原料としたり、果皮や葉から香油を取ったりするようです。
シトロンの種子は、紀元前4000年前のメソポタミアの発掘現場から見つかっています。紀元前800年以前には、ヒンドゥー教の聖典にシトロンに関する記述があるようです。紀元前600年までには、インドからペルシア、バビロニアへと南下し、そこでユダヤ人に見いだされパレスチナへ伝えられます。
紀元前300年頃、アレクサンダー大王の軍隊によって地中海へもたらされました。この様にして、ヨーロッパに伝わり栽培された最初の柑橘類となり、地中海海域の柑橘栽培をやがて大きく花開かせたようです。
シトロンは「食べる」という事ではなく、お供え物としての需要が高かったようです。ユダヤ収穫祭、仮庵の祭りには、ルラブ(ギンバイカと柳の枝で束ねたシュロの枝)とシトロンが必要で、どちらもこの祭りには欠かせないシンボルとなっていたようです。
4世紀にシトロンが中国へ伝わった後、仏教徒は仏手柑(ブシュカン)を珍重しました。これは、シトロンの変種で、果実の先が何本もの指のように長く裂けていて、その指の部分を合わせた様子が合掌に似ている事から名付けられたようです。中国では、この仏手柑が家庭や寺院の祭壇の供物として大切にされています。シトロンは、マルブシュカンとも呼ばれています。
② 最初のレモン
レモンは、いつ、どこから伝わったのか?
レモンの原産地はインドのヒマラヤ山麓の温暖な地域(インド北部)のようで、ブンタン類とシトロン類との交雑から生まれたと推測されていますが、レモンが栽培され始めた当初の事は、具体的には分からないようです。
古代の天然交配種のレモンは、簡単に雑種を造ることも出来るし、突然変異種を生み出すことも出来るので、過去の文献はレモンを指しているのか、シトロンを指しているのか分からないようです。
1400年以上前、イスラム教徒のアラブ人達がインドやペルシャでレモンを好み、行く先々にレモンを持ち込み、スペインやシチリア、北アフリカへと渡っていったようです。
レモンについて最初に記した文献として知られるのが、紀元904年のアラブの農業手引書で、この書ではレモンをシトロンと区別し、laimunの木は寒さに非常に弱いと説明しています。
9世紀、イスラム軍がシチリアを征服すると、その島の肥沃な土地に魅せられたアラブの農民達がやってきて、レモンを含む、東洋から多くの作物を持ち込んだようです。200年にわたるアラブ人のシチリア支配の後、続いてやってきたノルマン人もレモン栽培を継承しました。レモンはヨーロッパに持ち込まれることになります。15世紀には、イタリヤやスペインでも盛んに栽培されるようになっていくようです。
レモンの栽培をより一層拡大していったのが、「壊血病を治癒した事」でしょう。
1500年頃、ヴァスコ・ダ・ガマの航海で、或いは、マゼランの航海等で船員達を襲った病気。「上下の歯肉が腫れ上がり、何も食べられずに餓死した」「手足の痛みや歯肉の腫れに苦しみ、次々と死んでいった」 その後、300年間、長期の航海をする船のほとんどに壊血病はついて回りました。英国の提督リチャード・ホーキンスによれば、彼が海軍にいた16世紀後半の20年間に1万人の船員が壊血病で死亡したと言います。結局、壊血病で死亡した船乗りは200万人を超えることになります。
ビタミンCは、身体構造を取り囲み、その形態を保持する結合組織に含まれるタンパク質、コラーゲンの生成に不可欠です。長期の航海のように、3ヶ月以上も生の果物や野菜なしで過ごすとコラーゲンが十分に生成されず、歯肉の出欠や腫れ、手足のこわばり等様々な症状が出始め、最終的には死に至ります。
1582年 壊血病にやられた船員達は、西アフリカの海岸に上陸し、そこに生育していたレモンを食します。「レモンの果汁で口内を洗浄すると、口の症状が直るものもいた。」こうした事例は、レモンが壊血病に効くという説得力のある根拠と思われました。
後、英国海軍は、19年間で約600万リットルのレモン汁を支給します。レモン汁は樽の中でオリーブ油の層の下に保存され、果汁のアスコルビン酸のほとんどが失われずに保てたとの事です。当然の事ながら、これで壊血病にかかる船員がいなくなっていきます。こうしたレモンの船舶への積み込みは、レモンの消費を拡大させるきっかけとなり、レモン農場は各地に拡大していく事になります。
船乗りさんのために
レモンは世界中に広まっていったんだネ!
オリーブ油を入れることで、
レモンを長期保存出来たんだネ!
③ レモンが日本にやってきた
「日本果実史年表」に、明治8年4月に「勧業寮、米国加州在住の総領事 高木三郎氏の手により、アメリカからオレンジ、レモン、ストロベリー、ホップ等の種苗を導入」と記載されているようです。
又、別の書物では、「日本に伝わったのは開国後の明治です。数多くの舶来品の中にレモンも混じっていました。明治6年、ある外国人が静岡県の熱海に湯治に訪れた際、食膳に供されたレモンの種を庭に撒いた。」という逸話もあるようです。
いづれの内容が正しいのか分かりませんが、明治初期に日本に来たのは間違いなさそうですね。瀬戸田レモンの栽培史跡を見ますと、「昭和3年、カラタチ苗木300本を植え付けし、リスボンユーレカレモンの芽接ぎを行う」で始まっており、昭和になってから栽培が始まった事が伺えます。
3、レモンの栽培記録をつけていく
平成29年5月に、このブログを書き始め、「あの記事は、どこに書いたのだったかなぁ?」「あれっ? 確か、この記事の後半に記載したはずなのに?」という状態に陥ってしまっています。これでは、来年がきても、具体的に、「どの時期に、どんな量で、どんな事をしないとならないのか?」「注意すべき点はどこなのか?」いくつもの記事を読み直さないと、判断できなくなってしまう・・・
レモンの栽培記録表を作ってみた
「栽培記録表」で、今すべきことを直ぐにチェック!!
レモン栽培の表をつくっている時、一番「難しい」と思ったこと。それは、「害虫」や「病気」の記録。毎年、同じ時期に、同じ量の害虫が発生するわけではありません。又、今年発症しなくても、翌年は発症する病気もあるでしょう。
なので、栽培記録表も、より具体的に記入し、別途、発生した「害虫・病気」を綴った記事を作成してみました。
「栽培記録」に関しては、検証を続けていきながら、都度見直していこうと思っています。
* 施肥量記事は「こちら」から。
* 害虫・病気記事は「こちら」から、ご覧頂けます。
4、レモンの育て方、あれこれ
① レモンの栽培に際して
レモン栽培に適した地域
瀬戸内レモン農園さんも書かれています。
「もともと瀬戸内は温暖(平均気温15℃)で降水量も少なく、晴れが多いのが特徴。とくにレモンは雨と風に弱いこともあり、台風が少なく風の量も少ないこの地域は病気の発生も極力抑えられ、レモンにとって最適な環境です。ここで育つレモンは、酸味の奥に旨味も栄養もたっぷり含まれています。」
特に瀬戸田町は、島の約半分が急傾斜なのでしっかり日が当たり、柑橘類の栽培に最適のようです。
又、レモンは、寒さに弱いです。マイナス3℃より気温が下がると木が弱り、死んでしまうこともあるようです。ですので、マイナス3℃以下になる地域では防寒対策(後述)が必要になります。
温暖化の記事もよく見かけるようになりました。温暖化の進行は進んでおり、レモン栽培に関しても、「関東より南側」ではなく栽培可能となっているようです。
木は1本で結実します
初めて実が生る迄には時間が必要
棒苗(大苗ではない)を植え付けた場合、初めて結実するまでに、鉢植えだと3年~5年ですが、庭植えの場合4年~6年必要となると言われるようです。これは、根っこの発育が制限される鉢植えの方が、枝葉の生育が落ち着くのが早く、花や果実に栄養が回り、初結実までの年数も短くなるのだそうです。
特に若い木は枝葉がよく伸びます(樹勢が強い)ので、枝を切ったり、或いは、上に伸びようとする枝をワイヤーなどで横にひっぱったりして樹勢を落ち着かせることで花付きを良くする方法があるようです。しがしながら、やはり実がつくまでには植え付けから3年程度は最低必要となるようです。
出来る限り早期に果実を収穫出来るよう頑張っています。芽欠きをして、実に養分が回る様にしてみたり。レモンの果実はラグビーボール形で、先端に乳頭と呼ばれる突起があります。ものすごく可愛らしいです。香りも結構あります。部屋の片隅に置けたら最高なのですが。 😛
鉢植えレモンの育て方をまとめてみた記事が「こちら」です。
令和1年、レモンぶらぶらとなった時の記事が「こちら」です。
② 苗木の買い方、いろいろな品種
棒苗と大苗
< 棒苗 >
① 価格が安い 😛
② 多くの仕立て方に対応可能 😛
③ 収穫までに最低3年は必要
< 大苗 >
① 価格が高い
② 手軽に始められる 😛
③ 収穫までの年数が短い 😛
<鉢植え用には大苗がお勧め>
鉢植えの苗木としては、購入した鉢のままでも育てられ、初結実も早い大苗のほうが棒苗よりもお勧め。大苗を選ぶ際には、なるべく株元に近い部分からまんべんなく枝分かれしている苗木の方が、果実がなるスペースが増え、コンパクトに仕上げる事が出来る。
我が家の「庭植えレモン」は、「棒苗」を園芸店で購入してきました。そして「鉢植えレモン」は「大苗」をネットで購入しました。
上記のメリット・ディメリット、いずれもよく分かります。どちらが良いのかは、本当にその人の思いにあると思います。ただ、今思うところは、その苗が何年生の苗なのかは分かって購入したほうが良いという事。
若い苗から果実を収穫するのは難しいようです。「レモンの木を育てる事自体」の喜びもあると思いますが、「レモンの果実を収穫する事」が一番の目的なのであれば、一定年数経過した苗を購入した方が、その期間(時間)を購入したと思えば、相応の値段を支払ったとしても、「かなり安くついた」と思えるはずです。
苗をいつ買えば良いのか?
いつホームセンター、園芸店等に出向いてみても、ネットショップを覗いてみても、たいていレモンの苗は売っています。「この時期しか売っていません」という事は、基本的にはないのでしょう。但し、「植え付け」を考えた場合、①気候が穏やかで、②レモンの木の生育が緩慢な3月頃が良いとされますので、その頃に購入するのが良いと思われます。又、9月頃も、実付きの苗が多く出回るので良い時期とされています。
ちなみに、私は鉢植え用のレモンの苗木(大苗)を7月下旬にネットで購入しました。(実も4つ付いていました!)すぐに、一回り大きな鉢に植え替えました。今も元気に育っています。(勿論、4つの実も!)
良い苗木の選び方
①葉が多い、②葉の緑色が濃い、③枝が充実して太い、苗が良いとされています。
いくら花や実が沢山ついていても、それは一時的なものですから、あくまで①~③の観点から判断したいものです。但し、ホームセンター等に自分で買いに行ったのなら、①~③を見て購入できますが、ネットで買ったら選べません。一方、私の経験上、ホームセンター等に行くとレモンの苗木は売っていますが、種類はあまりないですし(1種類~2種類)、数もそんなに沢山売っていないです。ネットショップで購入するならば、大抵の種類は購入可能です。
「レモンの苗木 いろいろな種類」を、ご参照願います!
いろいろな品種
レモンを育て始めて、「こんなに沢山の種類があるんだ」と気づかされました。(当然のことながら、今の私が知らない品種もまだまだ沢山あるのでしょう。) 調べてみますと、それぞれに特性があり面白いなと思います。
当家のレモンはリスボンです。「実りの多い品種で、初心者にもお勧め」との説明があったから。リスボンやマイヤーレモンは耐寒性が比較的強いと言われています。コンパクトに育てたい方は、ユーレカやマイヤーレモンがお勧めです。ピンクレモネードはとても珍しく鑑賞価値の高いカラフルなレモンです。斑入りがとてもきれいで、特に葉の斑の入り方は見事です。だいぶ、購入を悩んでしまった品種です。
いろいろな種類を調べてみました。
上記「レモンの苗木 いろいろな種類」をご参照下さい!!
「レモンの育て方 4」は、「こちら」から!。
「レモンの育て方」の完結編です。最初の「もくじ」の全項目をご覧頂けます!
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