2023.11.5 更新
2024.4.21 更新
ホームセンターで実がついているレモンの苗木が売られているのを見かけます。結構小さい苗木なのに、そこそこ大きな実が付いています。「少し育てると、これぐらいの果実が生るのかなぁ?と思い、育て始めてみるのですが、こんなに上手くは実が生ってくれない。」という経験を持たれている方は多いのではないでしょうか?
これは、近くのホームセンターで売られていたレモンの苗木です。鉢の大きさは、5号?、6号?といったところでしょうか。まだまだ小さな苗木ではありますが、実に立派な果実が付いています。この苗木を購入しませんでしたので、この後の様子は分かりませんが、実がこれ程の大きさに成長しているのでしたら、恐らくは落果せず、収穫に至ったのではないかと思われます。
平成29年6月に挿し木をしてみました。それから1年後の平成30年6月の写真です。枝を切って挿し穂とし、1年育てたらこれぐらいの大きさの苗木になりました。つまり、ホームセンターで売られていた苗木も、1年生苗程度と思われます。
1年、或いは、よく言っても2年生の鉢植え苗木に立派な実を生らせている。
このノウハウを持ちたくて、以前も「鉢植えレモンの育て方」と題し、その育て方のポイントをまとめてみた事があります。その時のブログ記事がこちらです。
令和1年には、以前挿し木で増やした苗木(2年生苗 3年目)に2つの果実を残せました。そして、その後の様子はと言いますと、
果実は落果せず、その年の11月23日迄樹に生っていました。が、ご覧の通り、レモンの果実として利用できる程の大きさに育つことはありませんでした。結局は、来年の実付きを悪くする要因となってもいけませんので、切り取る事にしました。
ココがポイント
②その他の蕾は摘蕾した。
③新たに出てきた新芽も都度切除した。
全ての養分を2つの果実に回す様に注意してみました。
それでも結果は、食べられる程の大きさに育たなかったという事でした。
では、どうすればホームセンターで売られている程の若木に、黄色く色づく程の果実を生らせられるのか? 苗木屋さんに行って、教えを請いたいぐらいです。
でも、ここで諦めても仕方ありませんので、ここからは、色々な仮説を立てて検証していってみたいと思っております。ちょうど小さな7号鉢で育てているリスボンレモンが2本ありますので、仮説通りにしてみるものと、そのまま放っておくのとに分けて、その違いを見ていきたいと思います。
以前同様に、良く似た苗木を強剪定をしたものと、しなかったものにしてみて、結果を見てみた事があります。強剪定をした方が、新たな新芽(徒長枝を含む)が沢山出て来るかどうかの検証でした。結果的には、然程違いはみられませんでした。^^; 若木で検証しましたので、違いが出なかったのかもしれません。
仮説
- 植え替えをしない方が実が付き、育つのではないか?
- 果実の成長時期は液肥の方が良いのではないか?
- 着果安定の為、ジベレリン処理を行ってみる。
- 苗木には果実を2~3個まで。(前回同様)
- 新芽は摘み、樹の成長を抑制する。(前回同様)
👉 植え替えを沢山しない方が良い?
私は、樹の成長を求める場合、根の成長を求め過ぎていたのかもしれません。
根が増えすぎて鉢の中のスペースが無くなると成長出来なくなり、結果、枝葉・花・果実の成長も芳しくなくなる。根の様子を見ていますと、結構直ぐに成長し、鉢いっぱいになっている様です。「鉢の植え替えは、2~3年に1度とよく聞きますが、1年に1度は植え替えが必要なのでは?」と思っていた程です。
① 植え替えし過ぎると、樹にストレスを与える。
② 根を成長させ過ぎると、枝葉・花の成長が抑制される。
という文章を読みました。植え替えし過ぎると、樹も落ち着かないでしょうし、根に養分を使い過ぎては、他に十分回らなくなるという事でしょうか?
改めて、植え替え適期を見直しますと、
・ 鉢の底から根が出てきている。
・ 水が土に浸み込みにくくなった。
これらの状態は相当なものです。
つまり、これぐらいになる迄は大丈夫という事なのかもしれません。
👉 ジベレリン処理
これは、少し前から気になっていた事です。
購入したジベレリンの箱に入っている取扱説明書にも載っていますが、開花始めから満開10日後にジベレリン25~50PPMを噴きかけると、柑橘類の整理落花が軽減され着果が安定する様です。
樹が未だ幼く果実を生らせる体力がない場合、生理的落果してしまいますが、これを強引に残そうとし得るのでしょうか。それならば、1~2年目の若木にも着果させられる様に思えます。
しかしながら、「ジベレリンには着果抑制効果がある」ともあります。
柑橘の隔年結果問題
カンキツは、豊作と不作を繰り返す隔年結果性の強い果樹です。この隔年結果の問題は、当年の着果条件が翌年の花数に影響するために引き起こされる現象です。そのため、カンキツの栽培現場においては、隔年結実を抑制し、高品質果実を連年に渡って安定的に生産することが重要な課題となります。・・・ 花芽分化期にジベレリンを散布することによって着花量を抑制して樹勢を維持するために使用されます。これにより、着果量を管理することが可能となります。しかし、ジベレリン散布技術の根本的な問題として、ジベレリンで直接的制御が可能なのは着花量の抑制制御のみであり、「着花量の増加制御」を直接的に行うことができないという問題があります。
ジベレリンで着果安定するのでしょうか? 抑制するのでしょうか?
隔年結果で豊作の年を表年、不作の年を裏年と呼ぶそうです。
温州ミカンでは果実の中で、ジベレリンが作られる様です。作られたジベレリンは枝の中を流れて、果実の近くについてる芽に働き掛けるそうです。だから、その年に果実がなった枝には、翌年花がつきません。他には、光合成によって作られた糖の貯蔵量が関係しているそうです。夏の間に作られた栄養分の糖は、葉や枝、根の成長、果実の肥大に使われます。使われなかった分は枝や根など、木のあちこちに蓄えられます。蓄えられた糖を使い、冬の間に翌年の花芽ができる様です。でも、果実が沢山なると、大きくするのにたくさんの糖を使うから、あまり蓄えられません。そうすると花芽も減り、果実も減ってしまいます。ジベレリンや糖の働きで表年、裏年が交互にやってくるという事になるそうです。
隔年結果は困ります。例年適正な数の果実がなってもらいたいものです。なので、表年に、蕾や花を念入りに摘む事が大事なのだそうです(着花過多は放置しない)。ジベレリンを芽にかけて花ができないようにすることもある様です。
完熟させ過ぎも隔年結果に繋がるそうです。
完熟期に収穫した場合、果実品質は向上しますが、着果負担がかかり、次年度の開花までに樹勢の回復が間に合わなかった場合、隔年結果を助長することに繋がる様です。
熊本県農業研究センター研究報告より
そう言えば、昨年はグリーンレモンばかりで収穫せず、半分程の量をイエローレモンで収穫しました。果実の収穫を急ぎ、樹に翌年の栄養を貯める時間を残す事も大事にしなければならないのですね。
話しが少しそれました。 つまり、ジベレリンがどの様に影響するのか不明な点もありますが、開花後に少々ジベ処理をしてみようと思います。検証開始です。^^
しばらくは鉢植えのままになると思います。
旅先で見たレモンの鉢植えが目標です!!
見たところ8号鉢前後といった感じなのでしょうか? 果実は、10個は生っている様です。しかも、結構な大きさです。 棒苗ではなく、枝もふさふさしています。レモンの苗木を買いに行ったとして、この鉢植えレモンが目の前にあったら、きっとこの苗木を購入していることでしょう。(私は、基本棒苗に抵抗を持っている方なので。。。^^;) あとは、残す果実の個数をどう判断するのか?
今ままでの経験では、20ℓ 鉢の鉢植えレモンで10個程度が適正の数ではないか?と思っております。もっとも、この鉢植えレモン、当家に来てから、未だ丸3年という若い苗木なのですが・・・ 隔年結果に注意しながら個数を判断していきましょう。
今日は未だ色々なお片付けが残っておりますので、来週、1つの鉢の植え替えから始めてみようと思います。夏真っ盛り。鉢植えレモンの難しいところとして、
・ 水がすぐ乾燥する。
・ 土中温度が上下し易い。
という点が挙げられます。小さな鉢になればなるほど言える事だと思います。
この辺りは特に注意して、やっていってみましょう!
あと、色々見ていましたら、みかんみかん専用の肥料をみつけました。
ご参考までにご紹介します。
令和6年4月21日追記
注意したいポイント
- 鉢の中を根でいっぱいにする
- 3月に、上側と横側の土を熊手で少しだけ削ってやる
- 土に赤玉土を混ぜてみる
ここに注目し始めました。経緯を記録した記事がこちらです。
そして今年3月。赤玉土に骨粉入り油粕と化成肥料も混ぜてみました。4月、花芽も葉芽も十分萌芽しています。ここから先は、施肥と水やり。レモンの果実を大きくするには、肥大化時期に十分な水をあげられているかどうかによると聞きました。レモンは水不足に強いと聞いた事がありましたので、特に注意してきませんでしたが「肥大化の為」という意味で注意していきたいと思います。
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