🕒 2024-1-6 更新
レモンの育て方
レモンの栽培方法の検証
初心者の私が、本の通りにレモンの樹を育ててみたらどうなったのか?
レモンの花が散ってしまう
せっかく付いた実が落ちてしまう
葉が黄色くなって散ってしまう
土は耕さないといけないのか?
レモンの樹をどう仕立てたら良いのか?
どの様に剪定すれば良いのか?
肥料はどれぐらいが丁度良いのか?
どうすれば害虫や病気から守れるのか?
色々な問題と色々な疑問。
実際に自分でやってみて、どうなるのか検証してみました。
今がどんな状態で、どんな事をしてみたら、 どんな結果となったのか。
納得のいく結果が得られる迄検証を続けてみたいと思います。
「もくじ」の中の「青色の文字」をクリックして頂くと、当該記事にジャンプし、
その後のブログ記事を読む事が出来ます。
1、レモンを育てる魅力
① 家庭で育てる魅力
👉レモンと柚子のビタミンC!
2、レモンの歴史
・最初の柑橘の木
・最初のレモン
・レモンが日本にやってきた
4、レモンの育て方、あれこれ
・レモンの栽培に適した地域
・木は1本で結実します
・初めて実が生るまでには時間
・棒苗と大苗
・苗をいつ買えば良いのか?
・良い苗木の選び方
・いろいろな品種
・施肥量はどれぐらい?
・肥料やけに注意!
・土壌の酸度の測定・調整
👉phを測定してみた!
・EM菌を撒いてみる
👉EM肥料・希釈液を作った
👉11月のお礼肥
👉元肥を施肥してみた
👉肥料と堆肥の違い
👉私の施肥量の記録
④ 水やり
・生理的落果
・隔年結果
・不完全花
👉レモンを摘果してみた
👉やっと咲いた花!
⑩ レモンの挿し木
⑪ レモンの接ぎ木
⑫ レモンの剪定
・剪定の目的
・レモンの剪定 適期
・春夏秋枝の特徴と夏季剪定
・剪定後には癒合促進剤
⑬ 寒さ対策
⑭ レモン栽培と虫達
👉ハーブで益虫を呼び寄せる!
5、レモンの害虫
① カイガラムシ
② アゲハ蝶の幼虫
③ エカキムシ
④ ハマキムシ
⑤ アブラムシ
⑥ ミカンハダニ
⑦ カミキリムシ
⑧ アザミウマ
6、レモンの病気
① 黒点病
② かいよう病
③ そうか病
④ 灰色かび病
⑤ すす病
👉害虫・病気を知り対策を講じる!
7、症状による診断
① 葉が黄色い
*肥料の5要素
👉速効性・緩効性 化成肥料について
👉レモンの葉が黄色くなったので、
苦土石灰を撒いてみた
④ 実が落ちる
8、月別の作業
9、レモンを食べる
10、レモンを使ったレシピ
⑦ カミキリムシ
カミキリムシとは
成虫は5~9月に現れます。樹皮をかじり、主に地上60㎝以下の主幹部に穴をあけ産卵します。幼虫は樹木の中を食害し、木の穴から木くずや糞を出しますので発見しやすいと言えます。幼虫は成虫するのに2年間を要します。幼虫は木の中で蛹となります。
カミキリムシの被害
幼虫(通称;テッポウムシ)は木の中で樹皮下や材部を食害し続けるため、幹や枝は空洞となり、折れてしまったり、枯れてしまったりすることがあります。成虫は、新しい梢の軟らかい樹皮を加害するので枝枯れの原因となります。若い樹における被害が大きく、柑橘類以外にも多くの樹木を加害します。
駆除方法
成虫は、見つけたら捕殺します。又、枝や幹に丸い傷がついていたら、産卵部分の可能性が高い為、卵を押しつぶします。枝や幹に穴が開き、木くず等が噴出していたら、幼虫がいる可能性がある為、針金等を差し込んで殺します。
薬剤を使用する場合は、産卵初期の6月中旬と7月中旬頃にEMP乳剤やベニカ水溶材等を地ぎわから70㎝内外の主幹部散布します。その他、シュロの繊維や新聞紙を地ぎわから30~40㎝の幹に巻き付けて、成虫の産卵を妨げる方法も有効です。
⑧ アザミウマ
アザミウマとは
成虫でも、体長1~2ミリと小さいです。英名から俗にスリップスとも呼ばれます。年に10回前後の発生を繰り返します。幼虫と成虫が新芽や新葉、花、果実を吸汁加害します。夏の高温・乾燥時に大発生することが多く、短期間に何世代も生まれます。植物の軟らかい部分を好んで加害します。
アザミウマの被害
花にもぐりこんで吸汁加害したり蕾を狙うため、開花せず褐変して枯れたり、白く色が抜けたり、カスリ状になることがあります。新芽に寄生すると葉は展開せず、果実は表皮に小さな斑点ができたり、かさぶた状になったりします。ウィルスの媒介にも注意が必要です。一見、ハダニの被害と似ているため、区別するためには虫を確認します。
駆除方法
目に見えている段階では薬剤が効果を発揮しますが、花などに潜り込んでしまうと効果は小さくなります。摘み取って処分します。主に、葉の裏で吸汁するので薬剤を散布する際は葉裏にします。又、木の周りに青色の粘着テープを貼って捕獲したり、光反射フィルム等をしくと侵入を防げます。
6、レモンの病気
① 黒点病
症状
6~9月ごろの雨の多い時期に見かけます。8月ごろの高温期、温度の下がる11月以降は、発生しても広がる速度は遅いです。土中にすむ黒点病の細菌が、雨や水かけで跳ね返り、下のほうの葉に引っ付いて感染します。
黒斑病・黒星病ともいいます。雨が続くと多発します。葉が減ると、樹勢が落ちたり、花が咲きにくくなります。果樹は必ずかかるといってもいい病気。特に若い枝や葉に発生しやすい病気です。
対処方法
すぐ病気の葉を取り除き、落葉もそのままにしないですぐ始末します。対処薬剤を3日間隔くらいで3~4回ほどまきます。※ 治まらずに全ての葉が落ちてしまったら、枯れている、細い、小さい枝などを整理して、軽く切り戻します。地面に落ちた病気の葉も片付け、カリ肥料を多めに与えて予防すると効果的。
病気の葉を取り除いてから新芽が出たら、予防薬剤を散布して再発を予防します。鉢植えなどの場合は雨のあたらない場所に避難させてやることも有効。ついでに地表を殺菌するのもよいです。
気を付けたいポイント
a 枯れた葉や枝が根本にたまらないように掃除する。
b 枝や葉にかからない様に、水やりをする。
c 雨に当たらないようにする。
d 水の跳ね返りを防ぐ為、マルチシート等を敷く。
e 発生を見つけたら取り除き、拡散を防ぐ為、薬剤を散布する。
f 肥料切れをおこさないようにする。
g 窒素肥料を一度に多く施肥しないようにする。
有効な殺菌剤
* エアゾール剤; オルトランC、ベニカDX等
* スプレー剤 ; ベニカXスプレー等
* 発生前なら ; ダコニール1000等
* 発病初期 ; サプロール乳剤等
② かいよう病
症状
低温を好み、雨や風にのって感染します。果実、花、枝など広範囲に発生する病気。春葉に、中央がコルク化し粗造になった病斑ができます。周囲には黄色のぼかしを伴います。特に、枝に傷があると、そこから感染します。夏秋の枝では、ミカンハモグリガの食害痕に多発します。
対処方法
本病は細菌病であり、予防するには、植物が強い雨風にさらされないようにする一方、風通しをよくします。冬に、枯れた枝などを切り取って処分します。薬剤はあまり的確に効くものがないですが、次の薬剤を発病直前、開花直前、落花直後、梅雨時に各1回散布し、台風の時期がきたら、くる前に散布します。
<適用薬剤>
・ボルドー液・銅水和剤+炭酸石灰
・ストレプトマイシン剤 等
③ そうか病
症状
スミレやカンキツ類に多く見られ、かさぶた状の傷が、はじめ葉や茎、幼枝などにでき、小さな白や褐色の丸い斑点が多数現れます。しだいに斑点が2~3ミリになると真ん中がかさぶた状になります。病気が進行すると、葉の場合は、病斑点が破れ、穴があいたり、枝の場合は、ねじれや縮みが出て変形します。
対処方法
病原菌は、糸状菌(カビ)の1種であり、病斑部にできるかさぶたが胞子のもとで、このまま越冬します。気温22~24℃くらいで、風通しが悪いと発生しやすくなります。雨によって広がるため、ビニール等で雨をさえぎり予防します。又、伝染源となる病斑のある枝や葉を枝を取り除き、落葉なども集めて焼却処分します。
4月中~下旬(発芽期)、5月下旬(落花期)、及び、6月中~下旬の3回、下記の薬剤を散布する。
<適用薬剤>
・ジチアノン水和剤
・チオファネートメチル水和剤
・ベノミル水和剤 等
④ 灰色かび病
症状
初めは水がしみたような淡褐色の斑点ができ、その後急激に斑点が大きくなり腐敗してしまいます。症状が進展すると、湿潤時に灰色、灰緑色のカビが病変部を覆うように発生します。被害植物上で、菌糸等の状態で越冬し、20℃前後の雨の多い時期に胞子を発生させ、風によって飛散させます。
対処方法
多湿環境で多発するため、密植を避け、過繁茂にならないよう適宜剪定を行います。風通しには十分注意し、鉢物は十分日照に当てます。収穫した果実をいきなり貯蔵せず、3~4日風通しの良い所に置いてから貯蔵するのも効果的です。発病部分は見つけ次第摘除し、被害がひどい場合には、株ごと焼却処分します。収穫前に下記の薬剤を散布すると発病を予防できます。
<適用薬剤>
・チオファネートメチル水和剤
・ベノミル水和剤
・グアザチン液剤 等
⑤ すす病
症状
葉、幹、枝の表面が、すすを被っているように黒く汚れたようになります。すすは、しだいに広がり、全面を被膜が覆うようになります。通気性や日当たりが不良で、多湿環境を好んで発生します。吸汁性害虫の排泄物に寄生して発生するものと、植物体から直接養分を摂取するものがあります。
対処方法
菌の発生原因となる害虫(カイガラムシ、コナジラミ、アブラムシ等)を寄せ付けないことが一番です。通気性や日当たりが悪いと発生しやすい為、こまめな剪定が大切です。
<適用薬剤>
・スミチオン乳剤
・オルトラン水和剤
・アクテリック乳剤 等
👉 コダママイマイが食べてくれる
世界一美しいカタツムリと言われている「コダママイマイ」は「すす病」を食べてくれます。但し、餌となる「すす病」を与え続ける事が難しい上、2016年のワシントン条約で付属書Ⅰに掲載され、輸入は難しくなり、益虫として利用するのは難しくなったようです。
水で濡らしたぞうきんで綺麗に拭き取る事が出来ました。
その後、直ぐに再発生することもなかったです。^^
私が育てている時に害虫・病気対策をした記事を書き足していってる記事が、「こちら」です!
7、症状による診断
① 葉が黄色い
ゆっくりと黄色くなり、その後、落葉するのは「葉の寿命」との見解もあるようですが、根が傷んでいる可能性もあるようです。
葉が黄色くなる原因
・ 葉の寿命
・ 根腐れ
・ 栄養不足(窒素不足)
・ 水不足・ 日照が強い
・ 気温が低い
・ ハダニに葉の汁を吸われた 等々
それぞれの要因に対する策を講じなければなりません。但し、一度、葉が黄色くなったら、対策を講じたとしても、又、緑色に戻る事はありません。緑色に戻したい場合は、先端の葉を数枚残し、その他の黄色い葉を取り除きます。レモンの若木は枝葉がよく伸びます(樹勢が強い)。比較的すぐに新芽が出てきて、緑色の葉ばかりとなります。
根が傷んでいる
徐々に黄色くなり、やがて落葉します。数が少なければ葉の寿命ですが、多いと根が傷んでいる可能性があります。
気温が低い
先端から徐々に枯れてパリパリになります。マイナス3℃を下回ると発生しやすくなります。
栄養不足(窒素欠乏)
緑色が徐々に薄くなり、ひどいと全体が黄変します。原因は窒素などの単一要素だけではない場合もあります。
マンガン欠乏等
葉脈などが黄変します。ひどいと異常落葉します。土壌のアルカリ度が高い等の可能性があります。
② 葉のところどころが黄色い
* 肥料の5要素
1、窒素(新しい組織が成長するために必要なたんぱく質の基になる)
主に植物を生長させる作用があります。特に葉を大きくさせやすく、葉肥(はごえ)と言われます。多すぎると徒長して軟弱になり、病害虫に侵されやすくなります。足りないと発育が悪くなります。また、緑色が薄くなり(葉のタンパク質を分解して再利用している)、葉が薄黄色になります。(地面に近い下葉から黄化していきます)
*窒素は欠乏しやすいので注意!
① 窒素は土壌中の微生物の働きで硝酸態窒素になり、雨とともに流亡。
② オガクズ入り牛糞堆肥を施肥した場合、オガクズに対して牛糞が少ないと、微生物は窒素も餌として摂取。等、
3要素を施用していても、窒素は欠乏する場合があるので注意します。
2、リン酸
主に開花結実に関係します。花肥(はなごえ)または実肥(みごえ)と言われます。多すぎると鉄、マグネシウム、亜鉛を欠乏させ、足りないと発育不良から開花や結実の遅れ、子実の品質や収量の低下がみられます。リン過剰はカリウム欠乏を助長し、鉄欠乏を誘発します。
3、カリウム(加里)
主に根の発育と細胞内の浸透圧調整に関係するため根肥(ねごえ)と言われます。水溶性のため流亡しやすいため、少しずつ追肥すると効果があります。不足すると枯れ葉や落葉が早く見られ(葉の縁・周辺から黄化していく)、病気にかかりやすくなります。又、根の生育が悪くなり、根腐れを起こしやすくなります。
4、カルシウム(石灰)
主に細胞壁を強くし、作物体の耐病性を強化する働きがあります。畑の土は徐々に酸性に傾きやすいので、土の酸度(pH)に応じて作付け前に必ず混ぜるとよいです。土を中性に近い状態にしておくと、根張りがよく、土壌微生物の有益な菌を増やすことができます。カルシウム欠乏症は、窒素過多、水分不足で発生しやすいようです。
5、マグネシウム(苦土)
炭水化物を合成する葉緑素形成に不可欠な物質です。不足すると葉緑素の生成が低下し、光合成の働きが悪くなります。又、体内の重要酵素の活性剤としての役割もあります。苦土欠乏の症状は、葉脈間のクロロシス(クロロフィルが無くなって白化してしまう事)が特徴的です。つまり、葉脈を緑に残して葉脈の間は黄色になって、トラの模様のようになっている状態です。(下位葉まで黄化することは少ない)マグネシウム欠乏症状には葉面散布が効果的のようです。栄養素の過不足で、葉が黄色くなることがあります。
下記ブログ記事をご参照下さい。
特に、私のレモンの木では、苦土石灰(マグネシウム)を撒くことで、黄化が止まりました。葉の状態を見て原因を追究する事が大事だと思います。
👉 記事「速効性・緩効性 化成肥料について」
👉 記事「レモンの葉が黄色くなったので、苦土石灰を撒いてみた」
③ 花が落ちる(花が咲かない)
④ 実が落ちる
③、及び、④の原因としては、以下の事が考えられます。
👉 苗木が若すぎる。「はじめて実がなるまでには時間」の記事を参照。
👉 日常の管理に問題がある。
・ 日照不足
・ 防寒対策
・ 水不足・根腐れ
・ 肥料の過不足
👉 枝の成長に栄養が取られた。
「はじめて実がなるまでには時間」
「レモンの剪定」を参照。
👉 隔年結果(生理的落果の説明含む。)
花や実が落ちる原因は、上記の様に様々です。それに対応するには、十分にレモンの様子を観察し、又、今の育て方を把握しないとならないと思います。例えば、「昨年どれぐらいの収穫があったのか?」「いつ、どれぐらいの施肥を行ったのか?」「剪定はどの様に行ったのか?」等々です。
原因を正確に見極めるのは難しいと思いますが、日々の観察・検証で、適切な対応が出来るようになれればと思っています。「もくじ1-③ レモンの成長」で、毎月の様子を記録していこうと思っています。苗を購入後、何年目で、どういう状態なのかも含め、観察することが出来ます。ご参考になれば幸いです。
うちの柚子も花が咲いていません(@-@)
まだ1回も実はおろか花も咲いたことがありませーん。
すでに本体が死んでいて、台木だけという疑惑もあります。
なるほど。
花が全く咲かない場合、接ぎ木された本体は既に枯れてしまっていて、台木だけが残っているというケースもあるのかもしれないですね。
8、月別の作業
「もくじ1-③ レモンの成長」で、毎月の成長記録を残すようにしています。1月から12月まで、月別におこなうべき作業も、ここで触れていければと思います。時間を要することになりますが、出来ている月から、ご参照頂ければと思います。
9、レモンを食べる
「レモンを食べる」ことについて書かせて頂いた記事を抜粋させて頂いています。ご参考にして頂ければ幸いです。 m(__)m
👉 「レモンと柚子のビタミンC! あと、どうやって食べるの?」
👉 「レモンを美味しく食べる。レモンミックスジュースを作ってみた!!」
👉 「鉢植えレモンを食べ比べてみた!」
10、レモンを使ったレシピ
これから出来るレモンを使った料理レシピを、徐々に残していきたいと思います。
レモンレシピは、「こちら」から!
最後までご一読頂き、
ありがとうございました。
この「レモンの育て方」をベースに、
レモン栽培の検証を
続けていきたいと思います。
結果を確認でき次第、
都度、
「レモンの育て方」も、
更新していければと思います。
折に触れ、
ご参考にして頂ければ、幸いです。
korolemon